アクセルグリップ握りしめ

オフロードバイク、セローと共に成長していく、初心者ライダー奮闘記

運命の一台を求めて

これからバイクに乗る者にとって、最も大きな関心事、それは乗るバイクを何にするか、ではないでしょうか。

 

選んだ車体によって、かかる費用、行ける場所、積載量も変わり、それにより出来ることの幅も大きく変わってきます。

今回は私の、バイク選びの経緯について書こうと思います。

 

バイク乗りになろうと決意した直後から、私のバイク選びは始まっていました。

基礎知識も何もなく、街中を走る原付と大型バイクくらいの違いしか分からなかった私。もちろん、憧れのバイクもあろうはずがなく、ただ漫然と、ツーリングに行けるバイクが欲しいなぁという思いだけで、色々と調べ始めました。

 

実はSさんからは、何度かバイク屋に連れて行ってもらっていました。

初めて連れて行ってもらったのは、クロスカブに乗った当日です。あの日、カブを返却し帰路についたのですが、その時バイク屋さんを見てみたいかと聞かれたので、私は勿論と答え連れて行ってもらったのです。

その時は何が何だか分からず、とりあえず見た目のカッコ良さや価格などを見て首を傾げるだけでした。そんな私に、隣でSさんが事細かに教えてくれます。その時初めて、各メーカーごとの特徴やバイクの特性を知ったのです。

そこで覚えたことも踏まえ、自分にはどんなバイクが合っているのか考え始めました。

 

まず、やはりカブが気になりました。初めて乗ったのがクロスカブだったからかもしれませんが、本当に乗りやすくエンジンも性能が良くて低燃費、おまけに荷物の積載量もあるので日常での使い勝手も申し分ありません。おまけに小回りもきくので実用的です。110ccのものにすれば、充分に遠出も出来るのではないかと思ったのです。デザインも可愛らしいものが多いです。

次に気になったのは、やはり見た目のカッコ良さからアメリカンでした。どっしりしていて車体に光沢もあり、パワーもありそうです。バイク屋で立ち並ぶバイクの中でも、一際目を引いたのはアメリカンバイクでした。

そして、教習所でもお世話になったHONDAのCB。調べれば調べるほど、やはりHONDAさんのバイクは信頼出来ます。そしてCBは安定した走りと快適さを兼ね備えており、初心者にも優しいバイクに思えました。

ですがネイキッドもカッコイイですし、フルカウルの装備も捨て難い。調べれば調べるほど目移りしてしまい、もう誰に決めて欲しいくらいに分からなくなりました。

 

そこで、Sさんからの助言。

「何が欲しいかより、バイクで何がしたいかです」

そう。私がバイクで何をやりたいか、今一度原点に立ち戻ってみました。

私がやりたい事。それは、ツーリングとキャンプです。

バイクに乗られる方の少なからずが、一目惚れやデザインに惹かれてバイクを購入しているようです。いわゆる、ビジュアル決めです。結婚で言うと、一目惚れからの恋愛結婚でしょうか。もちろんバイクの見た目も大事なことですし、私もそうしようかとすら思ったのですが、それではやりたい事の幅が狭められてしまうかもしれないと思いました。

決めるなら、やりたい事と性能重視の、いわゆるスペック決めにしたい。結婚に例えるならお見合い結婚でしょうか。それは胸踊る出逢いではないかもしれませんが、安定した満足感と末永い幸せとを得られることは間違いないと思いました。

 

通勤や買い物に使うのなら、街バイクとして小回りもきき積載量もあるカブがいいとは思いますが、最終的には関東甲信越近郊のツーリングに行きたいと漠然と考えた私は、まずカブは除外しました。高速道路に乗ることもあるかもしれないと思ったからです。

そして、山奥や砂利道の向こう側にキャンプ地がある事を考えると、アメリカンも厳しいかと思ったのです。まず、アメリカンは車体の重いものが多いのです。万一転倒した場合、荷物を積載している状態で、しかも足場の悪いキャンプ地などで、自分一人で起こせる自信がありません。

 

そこで自分なりに考えて出てきたバイクに求める条件。

・まず、ある程度の長距離を走れること。

・比較的軽量であること。転倒しても耐えられる頑丈さ。

・充分な積載性。

・そして、オフロード(未舗装路)を走れること。

 

パワーもスピードも、私はそれ程重要視していませんでした。

つまり。私が求めていたのは、オフロードバイクだったのです。

 

ただしここで問題が。

オフロードは男性向きにデザインされたものが大多数。女性が跨ると足付きが悪いのです。

足付きとは、跨った状態で両足が地面に着地することを言います。実際にバイクに乗るまでは、それがそれ程重要なことだとは思っていませんでしたが、これはとても大きな問題です。

バイクは自転車のように、自由自在にはシートの高さを調節出来ません。足が地面につかなければ、停止するたび車体を大きく傾け片足で支えなければいけなくなります。ですが、実質それは不可能と言えるでしょう。以前にも書きましたが、バイクの重量は軽いものでも100kgは超えています。中型でしたら200kg越えは普通です。しかも、停止前とはいえ速度を出しているバイクの、傾けた状態での重量を、片足で支えきるのはまず無理でしょう。停止の度に転倒してしまうことになります。

 

つまり、求めているのはオフロードで足付きの良い車体──。

ありました。

それは、YAMAHAさんで出しているロングセラーのオフロードバイク、セローです。

ただし、ネットではいくら足付きがいいと言われていても、実際にはどうなのか分かりません。

そこで、Sさんからバイク屋に連れて行ってもらった時、店員さんに頼んで跨らせて貰いました。

 

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売り場にあったのはノーマルシートでしたが、もっと低いシートにも変えられるそうです。

ですが、どっしりとした見た目に反して、実際に体重を載せるとグッとシートが下に沈みこんでいくので、それ程シートは高く感じませんでした。ノーマルシートのままでも充分に足付きが良かったのです。

 

この子がいい──。

そう感じたものの、まだ幾ばくかの不安が残ります。

それはやはり、メンテナンスのことです。

 

バイクは、排気量250cc以下ならば車検が必要ありません。ゆえに、維持費も安くなるので人気があります。

ですが私は、逆にそれが心配でした。

メンテナンスはおろか、バイクの構造すらよく分かっていない私が、車検不要のバイクを持ち、いざ何か起こっても対処出来るとは思えません。異常に気付くことすら出来ないかもしれないのです。

セローは250cc。車検がありません。

そのことから、セローを諦め400ccのバイクにしようかとすら思ったくらいです。

 

ですがここで、頼もしい人物との出逢いがありました。