アクセルグリップ握りしめ

オフロードバイク、セローと共に成長していく、初心者ライダー奮闘記

まずははじめの一歩から~猿ヶ島練習会①

以前こちらのブログで『ライダーの在るべき姿 ~中編』を公開したところ、たくさんの方々からオフロードスクールのお勧めや、練習の仕方などのアドバイスをいただきました。

 

↓『ライダーの在るべき姿』オフロード編

https://qmomiji.hatenablog.com/entry/2021/06/16/145808

 

 

そんな中、

「今度一緒に練習しませんか?」

とお声掛け下さった方がいます。

それが、よしださんでした。

 

是非とも練習したいと思いつつ、その時少しだけ躊躇したのは、よしださんがどういう方なのかが分からなかったからです。

それまでよしださんとは一面識もなかったどころか、SNS上での絡みすらもありませんでした。

 

オフロードにおいては特に、レベルや考え方の合わない方と行動を共にすると、自分だけでなく一緒にいる人達までをも危険に晒すのだということを痛感していました。

もしよしださんが、件のブログに登場してきた方のような過激な考えをお持ちだったら…。

そう思い、不安になってしまったのです。

 

ですが、かねてより親交のあるセロー女子仲間のぴすけさんから、

「ちうさん、私もよしださんから練習みてもらってます! よしださんなら優しく丁寧に教えてくださいますよ~」

そして、

「ちうさんも一緒に練習しましょう!」

と言っていただけたことで決意が固まりました。

ぴすけさんのお墨付きならば安心です。

私はすぐに練習会への参加をよしださんにお願いしました。

 

 

セローを購入したばかりのヨシさんにもその話をしたところ、是非とも自分も参加したいと言いました。よしださんにその旨を伝え、ヨシさん共々練習を見ていただくことになったのです。

 

 

そうして迎えた7月第2週目の土曜日。

 

待ち合わせ場所へと赴くと、既にヨシさんが到着しており一人の男性と談笑していました。

私は降車しヘルメットを脱ぐと、その男性に向け挨拶をします。

「おはようございます、ちうです。今日はよろしくお願いします」

その男性、よしださんは、

「こちらこそ、よろしくお願いします」

と笑顔で返して下さいました。

「あれ? よしださん、軽装ですね」

よしださんはサンダルにハーフパンツでした。

「あはは、車で来たので」

 

 

「ちうさーん! おはようございます」

ぴすけさんが両手を振りながら近付いて来てくれます。

「あっ、ぴけちゃーん! 久しぶり~」

お互いに「キャー」と笑い合いながらグローブ越しに両手を合わせます。

「ホント久しぶりですね! 一年ぶりくらい?」

ぴすけさんが言います。

「そうですね! そのくらい経っちゃいましたね~」

コロナの影響で、長らく女子会が出来ずにいたのです。

久々にぴすけさんに会えたことでテンションが上がりました。

 

 

「では、練習場所の猿ヶ島へと移動しましょう」

よしださんが案内してくれるそうです。

「わぁ~。私、猿ヶ島初めてなんですよ」

「そうなんですね。今日はコースではなく、広いところで練習しますので」

「はーい」

バイクに跨り移動します。

 

 

猿ヶ島とは。

神奈川県の厚木市から相模原市の河川敷に広がるオフロードコースの事です。

コースと言っても、ここは個々人の私有地なのだそうで、有志の方々が少しずつコースを作っていき、ご厚意で開放して下さっている場所なのです。

神奈川のオフ車乗りで、猿ヶ島を知らない人はいないのではないでしょうか。

 

 

私が今まで猿ヶ島に来なかったのは、単純にその機会に恵まれなかったからでした。

一人でコースに入るのは、正直初心者には敷居が高かったのです。

それに、GoogleMAPではその広大な敷地がよく見えますが、入口といいコースといい、傍目にはよく分かりませんでした。

もちろん標識や看板が出ているわけでもありません。

どなたかの案内がなければ、とても入れそうにない場所でした。

 

 

 

道を折れ、いよいよいよいよ猿ヶ島です。ダートに突入します。

早速始まるゴロゴロの砂利や水溜まりに幾分たじろぎました。

前方を走るぴすけさんは、座り運転のまま難なく進んでいっています。

──私、練習開始前から一人でコケちゃったらどうしよう?

少し心配になりましたが、何とか無事にたどり着く事が出来ました。

 

 

バイクを停めてヘルメットを脱ぐと、隣に停めたヨシさんが、

「おはよう」

と挨拶して来ました。

「あ、おはよう~ヨシさん」

そう言えば、先程はよしださんやぴすけさんにだけ挨拶をして、ヨシさんにはまだしていませんでした。

「あぁ~どうしよう。緊張する~」

私が言うと、

「俺もだよ」

と苦笑していました。

「正直、ここへ来るだけで既に怖かったし」

「そうそう! 私も~」

ヨシさんも同じだったのだと分かり、少しだけホッとします。

 

 

タイヤの空気を抜き、練習の準備をしました。

 

 

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「あ。荷物はどうぞ車に入れてください」

よしださんがそう言ってくれます。

「はい、ありがとうございます」

この時携帯電話も預けたので、その後あまり写真は撮れませんでした。

ですが、預けていて正解でした。

そうでなければ、スマホの画面が無惨にひび割れてしまうところでした。

 

 

オフジャージとオフロードブーツに着替えたよしださんが、

「では、あちらの広い所に移動します」

と案内してくれます。

平坦な広い場所に移動すると、ミニパイロンを四角く置いて、

「ではウォームアップがてら、このパイロンの外側を周ってみましょうか」

と言いました。

 

 

ぴすけさんやヨシさんが走り出したので、私も後に続きます。

ゆっくりと周回し始めました。

 

よしださんは『ウォームアップ』と言っていました。

確かに皆さん涼しい顔して運転していますし、これはきっと基礎中の基礎なのでしょう。

 

ですが、平坦とはいえ凹凸のあるオフロードです。カーブの曲がり方もよく分かっていない私にとっては、充分怖いと感じてしまう難易度でした。

 

 

──あぁ…。

私今日、大丈夫かな?  私のあまりのレベルの低さに落胆されたらどうしよう?

 

 

夏の陽射しが照りつける中。

ヘルメットの中で汗まみれになりながら、ちらりとそう考えたのでした。