アクセルグリップ握りしめ

オフロードバイク、セローと共に成長していく、初心者ライダー奮闘記

それぞれのキャラクター〜女子会第2弾 前編

先月半ば、セロー乗りの女性達で集まり、女子会を開いた様子はこのブログでもしたためました。↓

 

 

https://qmomiji.hatenablog.com/entry/2020/02/17/074415

 

その様子をSNSにも載せたところ、他のセロー乗りの女性からメッセージをいただいたのです。

ぴけさんと仰います。

このブログも読んで下さっている方です。

ぴけさんともかねてより交流があったため、是非お会いしたいと思い、彼女も入れて『セロー乗り女子会』を再び決行しようと考えました。

 

前回お会いした、雪さん、ヨシローさんにも話したところ、お二人も是非ぴけさんとお会いしたいとのこと。

今回は私が発案者のため、僭越ながら企画させていただきます。

 

 

 

女子会当日、日曜日の朝。

 

ヨシさんからお借りしているインカムと、私のスマートフォンとをペアリングさせ、購入したスマホホルダーをセローのハンドルに装着させます。

そう。

初めての、ナビに挑戦です。

 

何故かナビを異様に怖がっていた私は不安でいっぱいでした。

ナビの案内はちゃんと理解出来るのか、移動に手間取ったり道を間違えたりしたらナビから怒られやしないか。本気で心配していたら、Sさんから呆れられてしまったくらいです。

 

でも待ち合わせ場所であるカフェは、前回の女子会で行ったのもあり道順を覚えています。もしナビをうまく使いこなせなくても大丈夫という思いもあり、肩の力を抜いてトライ出来ます。

こうやって気軽に使い、少しずつナビに慣れていこうと思ったのです。

 

 

恐る恐るナビを始動させると、ヘルメット内に音声が響きまました。

 

ナビが開始されたことを確認し、出発します。

「あれ?」

音声では案内してくれるのですが、画面の地図が全く動きません。

何故だろう? なにか間違ってる?

気になってスマホ画面に見入ってしまい、信号が赤から青に変わったことに気付くのが遅れました。

 

いけないいけない。

気を取られていないで運転に集中しなければ。

 

運転中、何か気になることがあっても、気持ちを切り替え運転に集中する癖をつけようと思いました。

どうしても気になるのなら、バイクを停めて考えようと決めたのです。

 

ナビ導入のせいで事故に遭うことになってしまっては、インカムを貸してくれたヨシさんや、使用を許可してくれたSさんを後悔させてしまうことになります。

 

 

やがて到着した女子会会場──。

 

駐輪スペースには、グリーンとブルーのセローが停められていました。

隣に駐輪し、荷物を整理していると、

「おはようございます。今日はよろしくお願いします」

と声を掛けてくれた女性が。

ぴけさんです。

実は、ぴけさんとは初対面ではありません。

半月前、セローでバイク用品店に行った際、偶然ぴけさんも同じお店に来ており、声を掛けていただいたのです。

オレンジのセローと、ボルトの外れたヘルメットとを目にし、私だと確信したのだとか。

「あ、ぴけさん。おはようございます」

「雪さんは既にお店に入ってますよ〜」

「あ、そうなんですね」

ということは、もうお二人は挨拶を交わしたようです。

 

 

店内に足を踏み入れると、雪さんが4人分の席を取ってくれていました。相変わらずの段取りの良さです。

「ヨシローさんは30分ほど遅れて来るそうですよ」

と、雪さん。

「そうですよね。じゃあ、とりあえず先に飲み物だけ頼んじゃいますか」

ヨシローさんは多忙の中、今日なんとか時間を作って参加してくれるようでした。遅れてでも参加したいと言って貰えて、嬉しく思います。

 

3人で珈琲を注文し、軽くお喋りをします。

ぴけさんはセローの前は、ビッグスクーターに乗っていたのだそうです。

「凄い。ビッグスクーターって大変じゃないですか? 車体も重いでしょうし」

私ではなく、何故か大型バイクをも乗りこなしている雪さんがそう言います。

「いえ、それは大丈夫でしたよ〜。逆に今、MT車のギアに苦戦しちゃってます」

ぴけさんがおっとりと笑いながら返しました。

 

 

そうこうしているうちに、ヨシローさんが到着します。

4人で挨拶を交わすや、頼んだ珈琲で乾杯です。

 

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「ホットとアイスの珈琲で乾杯したのなんて初めてです」

私が言うと、「確かに〜」と笑いながら同意されました。

 

 

「なに食べます〜? 今日も私、お腹空いちゃってますよ」

ヨシローさんがメニューを捲りながら聞いてきます。

「あはは、ヨシローさんは相変わらずの成長期なんですね」

私が言うと、白い歯を見せて笑いました。

 

 

やがて料理が運ばれて来ます。

 

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「わぁ〜美味しそう! 卵がプルプルしてる〜」

私が歓声を上げると、「ちうさんは相変わらず幸せそうですよねぇ」と、雪さんやヨシローさんから笑われました。

その間、ぴけさんがテキパキと小皿を取り分け、全員にカトラリーを配ってくれます。

おっとりしているようで気配りを忘れず、テキパキ動いてくれるこのセロー乗り仲間さんに、自然と好感を抱きました。

 

 

料理を食べ終わると、

「デザートは何にします〜?」

と、再びヨシローさんがメニューを捲り始めます。

それを受けた雪さんが候補を幾つか提示し、私とヨシローさんとで「じゃあこれがいい!」と声を上げます。ぴけさんが同意してくれたことで、注文するパンケーキが決まりました。

 

 

なんだかキャラが立って来てるなぁ。

今のやり取りから、内心そう思いました。

豪放磊落なヨシローさん。姉御肌の雪さんに、穏やかなぴけさん。

そして、ひたすらはしゃいでいる私。

 

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運ばれてきたパンケーキのクリームがタワーとなっています。

取り分け口に運ぶや、「おいし〜。幸せ〜」と声がこぼれ、「ちうさん、また言ってるよ〜」と笑われました。

 

ぴけさんの教習エピソードに、全員お腹を抱えて笑い転げ、珈琲のお代わりもし、和やかな時間は過ぎていきます。

 

 

「ときに、この後どうするんですか?」

ヨシローさんが聞いたので、すかさず私が答えます。

「お花見ツーリングとかどうですか?」

 

私は今回の女子会企画を発案した段階で、何通りかのプランは考えておきました。

一応、悪天候だった場合のパターンも考えておいたのですが、幸い今日は好天に恵まれています。せっかくバイク女子達で集まるのなら、一緒に走りたいと思ったのです。

問題は、ルートです。

走りやすく、のどかで景色の綺麗な所がいいと思いました。

そして、はたと思い付いたのです。今年は桜の開花が例年よりも早めです。どうせなら皆で、桜を見ながら走ってはどうかと。

 

 

そして、以前一度走った時から気になっていた道を思い出します。

「海軍道路って知ってますか? 県道18号線なんですけど」

見渡しますが、全員首を横に振っています。

「そこ、両側に木が植えられてるんですが、それが全部桜なんです。桜のシーズンに走るとすごく綺麗なんだろなと思ってて」

他に行きたい所や希望が出れば変えていくつもりでしたが、「いいと思います」「ちうさんに任せますよ」と言っていただけたので、そのルートに決まります。

 

海軍道路は通り抜けるだけなので、ツーリングの終着地点を、とある公園に決めました。

その公園も、桜が綺麗なのです。

 

お会計を済ませ店外に出るや、4人の女性達がそれぞれのセローに跨ります。

「じゃあ、ちうさん先導お願いします」

雪さんの言葉に、

「はーい」

と答えました。

発案、企画した者が先導も務める。バイク乗り達の、暗黙のルールです。

「でも、至らない点があったら後ろから追い抜いて下さいね」

不安半分に私がそう言うと、

「大丈夫ですよ」

雪さんが返してくれ、その言葉がすっと染み込んでいきました。

 

アクセルを開き、いざ出発です。

4台のセローがエンジン音を鳴らし、ゆっくりと公道に走り出て行きます。