アクセルグリップ握りしめ

オフロードバイク、セローと共に成長していく、初心者ライダー奮闘記

タイヤ向くまま気の向くまま

 

前回の『反省会』で、私に足りないのは適応力と地理の知識だと再確認しました。そしてそこを鍛えるために、目的地を作らず気ままに走ってみようと決めたのです。

 

待ちに待った年末年始休業初日、早速それを踏まえたツーリングを決行します。

 

当日の朝5時に起き、いつものジョギングと懸垂をします。そして他の筋トレとストレッチもやろうとして、ふと思いとどまりました。

どうせなら、ツーリング先の公園でやった方が気持ちいいのでは?

と思ったのです。

あえていつものトレーニングメニューを残し、運動はそこで終えてお弁当を作ります。

 

冷蔵庫の材料を確認し、レンコンのはさみ焼きとミニサイズのメンチカツ、椎茸のひき肉詰め、マッシュポテト等を作ります。

今回は絶対に箸を忘れないように、箸が内蔵出来るお弁当箱に詰めました。

 

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準備をして出発です。

今回はあえてルートを決めず、とりあえず三浦半島方面へ行こうと決めていました。夕方から予定があるので、あまり遠出は出来ないのです。

134号線を上って行きます。いつもこの道は渋滞するのですが、まだ朝の早い時間帯だからか、流れがスムーズでした。

思いつき、途中で曲がってみます。細く入り組んだ道が魅力的に思えたのです。小川のほとりを走り、更に進むと住宅街に出ます。

ちょうどゴミ捨ての時間帯でした。住人の皆さんがまとめた段ボールやゴミ袋を手に歩いていました。犬の散歩をしている人もいます。細い道な上に、歩行者も多く住宅地から人が出てくる恐れもありました。慎重にセローを進めます。

生活感溢れる通りを抜けると、大通りに出ました。進んでいくと、横須賀方面の標識が出ます。なんとなくそちらへバイクを走らせていると、『観音崎』という標識が出てきました。

確か、海沿いにそういう名前の公園があったような

…。

ここ最近穴のあくほど見ていた、ツーリングマップルの地図を思い起こします。地図では確か、あの辺の道も走りやすそうないい道でした。

 

標識で観音崎方面の通りを進み、やがて公園入口に着きました。

公園駐車場の入口には、平日は駐車無料だけど休日は有料との注意書きが。迷いましたが、せっかく来たので駐車することにします。二輪車は100円でした。

バイクを下りると防風ウエアが暑く感じられます。風は冷たいのですが天気も良く、陽射しのあたたかい日でした。私はウエアを脱いで、ドラムバックに詰め込みます。

観音崎公園はのどかな所でした。春や秋ならまた違った景色を楽しめるのかもしれません。

 

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休日なので家族連れも多かったのですが、芝生にはあまり人がいませんでした。貸し切り状態とばかりに、私はレジャーシートを広げると筋トレを再開します。〆のブリッジは開放的でした。

 

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観音崎公園を充分に堪能するや、出発です。

 

海沿いの道を気持ち良く走ります。

走りすすめてしばらく行くと、134号線に出ました。このまま走り進んだら湘南に帰ってしまいます。まだ午前中です。さすがにもう少し走りたいなと思い、どこか寄ろうと考えていました。

やがて見えてきた看板は、『ソレイユの丘』。

この辺りは、実はSさんからタンデムツーリングで連れて来て貰ったことがあります。その時、ソレイユの丘も入ろうかどうしようか検討し、駐輪代が高かったことと、一日がかりで楽しむようなスポットらしかったのでやめにしたのでした。

この日私も、やはり同じ理由でソレイユの丘へ入ることは却下します。第一、お弁当持参で入るような所ではないようです。

でもその周辺の田園風景が素晴らしかったことは覚えていました。私は134号線を外れ、ソレイユの丘方面へとセローを走らせます。

やはりのどかで綺麗な景色でした。両側に作物が実る農道を、のんびりと走行させていきます。

そのまま突っ切れば確か海に出るのでは? と記憶を手繰り寄せながら走っていると、やはり潮の匂いと共に眼前に海が広がりました。

 

確か、その先に荒崎公園があります。

街中走行では似たような道が続くのでほとんど覚えていないのですが、こういう個性的な道は案外覚えていました。荒崎公園へと進みます。

 

記憶の通り、荒崎公園の駐輪代は無料でした。

季節も季節だからでしょう、人がほとんどいません。

階段を上っていき、前回来た時気に入った場所へ出ました。

 

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写真にはうまく撮れませんでしたが、切り立った岩の上からパノラマで海を見渡せました。

自分の斜め後ろ辺りにまで海が広がるので、通常よりも迫力があります。

岩に腰掛け海を眺め、ここでお弁当を食べようかなと考えます。

ですが、さすがに岩がゴツゴツしておりお弁当も広げにくかったのでそれは断念しました。景色だけを堪能し、そこを後にします。

荒崎公園には、ピクニックの丘という芝生もありますが、そこからでは海は見えません。せっかくだから海の見えるところで食べたいと思い、反対側の『はまゆうの広場』に出ます。海の広がる広場のあちこちに、テーブルと椅子のセットが備え付けてありました。

 

私は海に一番近いところに腰掛け、お弁当を広げます。

 

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温かいはちみつゆずが、運転の疲れを癒すように身体に染み渡りました。

お弁当は美味でした。レンコンのシャキシャキと、ひき肉の旨みが口の中に広がります。

ですが、食べ進めるうちに気付きました。

「多いなぁ…」

いつもはもっと小さいサイズの一段の弁当箱なのですが、この日は張り切って色々作ったので、大きめサイズにしました。詰めてる時にはペロリと食べられる感覚だったのですが、実際食べると途中からちょっとキツくなりました。残すのは主義に反するので口に詰め込みます。

でもこれで腹痛になってはツーリングに障るので、次回からは適切な量にしなければと心に留めおきました。

昼食を終えるとひとしきり散策し、セローの元に戻ります。

 

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本当に、セローは最高です。

つくづく思いました。

のんびりトコトコ走る、気ままに向かう、細い道に入り込む、路面状態の悪い道も進む。今日これまでの道筋で、その全部がありました。セローはそれを臆面もなく進んでくれます。

 

その最高の相棒に跨るや、出発です。

まだ時間も早いので迷いましたが、お土産を買って帰ることにしました。

134に出てすぐの所に、評判のシフォンケーキ屋さんがあります。そこで1/4切れのケーキを2つ購入しました。

レジの女性が笑顔で、「今日は風が冷たいですねぇ。お気を付けて」と話しかけてくれたことが、妙に嬉しかったです。

ちなみにシフォンケーキはふわっふわでした。

 

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帰り道、134号線は混雑していました。

私はSさんの走りを思い出し、真似をしてみます。

爽快な走りでした。風をものにした気分です。

 

やがて親しんだ道にまで帰って来てから気付きます。

 

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納車一ヶ月半にして、ようやく走行距離が1000kmを超えていたのです。

バイク屋のYさんから、1000kmを超えた辺りでオイル交換をするから来て下さいと言われていたのでした。

そのままバイク屋に向かいます。

新車で入ってきたオイルを抜き、Yさんお勧めのいいオイルを入れていただきました。

「今までとギアチェンジや走り方が全然違い、断然良くなってると思いますよ」

と親指を立てて保証して貰えました。

 

今回のツーリング、激しいドラマも涙するほどの感動もなく、ただのんびりとしたものでした。

でもヘルメットの中でしじゅう笑っていましたし、しょっちゅう感嘆の声も漏らしていました。

それほどに楽しめたのです。

走った道は覚えていきます。今回のツーリングで、横須賀の一部と三浦半島方面の脳内の地図も少し出来てきました。

時間もなく近場のみとなりましたが、こんなツーリングもいいものだなと思いました。