アクセルグリップ握りしめ

オフロードバイク、セローと共に成長していく、初心者ライダー奮闘記

二輪教習の受講記録その②

2コマ目はいよいよ実際にバイクに乗ってみます。

前の時間で散々バイクの怖さについて語られ、機体の重さまで実感させられたので、いざ乗るとなると緊張してしまいました。

 

まず跨り、キーを回してエンジンを始動させます。

 

前回乗ったカブとの大きな違い、それはクラッチの存在です。カブにはクラッチがありません。それは操作をシンプルかつスムーズにしていますが、ギアチェンジの度にガクンと振動が来ていました。

対して多くの中型バイクにはクラッチがあります。車のマニュアル免許をお持ちの方ならご存知かとは思いますが、クラッチはギアチェンジの際、踏み込むことで変速をスムーズにさせます。

 

このCB400にもクラッチがあります。ただしそれは足元ではなく、左手ハンドル側です。そう、右手ハンドル側がブレーキ、左手ハンドル側がクラッチとなっており、左足でギアを変える度に左手のクラッチをしっかり握りこまなければいけません。

 

ですが、まずは1速の状態からクラッチ半クラッチにして、惰性で進んでみます。手始めに、両足を地面に着いた状態で進むよう言われました。

「おおっ、進んでる」

と当たり前の感想が漏れます。

何故なら前の時間で、このCB400を引いて歩いた時、非常に重かったからです。跨った状態で半クラッチにしただけで、特に力もなく進んでくれることに少し感動しました。

ここで、後ろから悲鳴が聞こえて来ます。私の後ろから付いてきている女性が、バランスを崩し転倒しそうになったのです。講師がすかさず支えて助けていました。私よりも小柄な女性のこと、機体の重さによりちょっとでもバランスが崩れ転倒の予兆が出来るのも、恐怖なのだと思います。

 

それに慣れると、次はいよいよアクセルを使用。

クラッチを握り込み、アクセルを回します。そして徐々にクラッチを開いていきます。

エンジン音と共に、バイクは軽やかに前進します。ここで両足を乗せ、バランスを取りながら進むよう指示が。指定された場所で、ブレーキをかけて停止します。

 

それにも慣れてくると、今度は2速に入れる練習です。

マイヘルメットの中で、思わず笑みが零れます。

──楽しい。

教習初めてのギアチェンジでしたが、スピードが出て2速に入れる際、クラッチを握り込めばいいだけなのでそれ程の混乱はなかったです。

ある程度重量感のある機体なので安定しているのに、流れるように走ります。身体がスライドされていくような、バイクならではのあの感覚がやって来ました。

 

難しかったのは半クラッチから全開にするタイミングでした。全開にしてしまうと、アクセルを回さなくともスピードが出てしまいます。

路面ならともかく、そこは狭い教習所の、二輪教習初心者コースの一角です。ギアを上げてすぐに急カーブがやって来て、またすぐにローギアにしてブレーキをかけなくてはいけません。

 

そうやってグルグルと何周もし、ギアとクラッチの感覚を身体に覚えさせました。時間はあっという間でした。

講師からは、冷静なのに怖がらず乗っていて大変良かった、と褒められました。

 

ちなみにこの日の夜、左手が筋肉痛でしたが、クラッチの握り込みすぎの為でした。握り込むには中々大きく、そしてキツかったです。握力を鍛える、ハンドグリップをずっと握らされていたようなものでしょうか。

 

一緒に受講していた女性とその後お話ししました。

彼女は高校を卒業するお子さんと一緒に教習所に通っているのだそうです。私と違い、車の免許も持って長年ずっと車を運転してきたのだそうですが、長年バイクへの憧れがあり、これでようやく願いが叶うと嬉しそうでした。

子育て世代が運転するとなると、バイクよりも車に軍杯が上がるのは仕方のないこと。

バイクを始めるにも、様々な理由、様々な環境があるのだと思います。

それでも「やりたい」という気持ちでひたむきに走り続ける彼女の姿は、もう既に立派なライダーそのものでした。