さて、第一段階も残すところあと二時限となったこの日、受講予約を二時限分取っていたので、順調にいけばこの日に第一段階が終わる予定となっています。
まだ一本橋に不安がある上に、他のコースもあやふやな為、非常に不安な面持ちで教習にのぞみます。
まず、一限目。
ウォームアップの後、早速一本橋をやることに。手前の停止線でしっかり止まり、左右の後方を確認して発車する所までをしっかり教えこまれます。
前にも書きましたが、一本橋は流れで乗れば幾らか簡単ですが、手前で停止してしまうと途端にバランスを取るのが難しくなります。
やってみると、やはり走り出しからふらつき、橋になんとか乗れてもグラグラしてしまい落ちています。
色々な方から、一本橋はずっと遠くを見ていれば落ちないよ、とアドバイスを頂きましたが、これはもう乗る以前の問題です。
思い返すに、私はいつも走り出しで半クラッチで車体を動かし、少しずつアクセルをかけていっていました。そのためか、いつも左右に少しブレていたのです。
一本橋はもしや、走り出しのそのふらつきを解消させるための項目なのでは…?そう思いました。
教官からのアドバイスにより、走り出しからアクセルをしっかりかけて綺麗にスタートが出来るように、繰り返し練習します。
スタートが綺麗に出来た時でしたら、橋に乗ってから遠くを見つめ真っ直ぐ進むだけなので、落ちることはまずありませんでした。
つまり。勝負は、停止線から橋に乗るまでの僅かな距離で決まるわけです。
繰り返し練習し、7割くらいは成功するようになりました。
パイロンを避け左右に車体を動かし走行します。正直これは、最初から恐怖心はありませんでした。進行方向が明確だったからかもしれません。
教官からは、まずは最初の二本までを成功させ、それが出来たら徐々に本数を伸ばしていくように、と言われていましたが、最初から全部クリア出来たので、通しでの練習からでした。
始めは2速の半クラッチでやるよう言われましたが、次第にクラッチから手を離すように言われます。それにも慣れると、今度は二本目のパイロンを横切った辺りでアクセルを回すようにとアドバイスが。
検定の際は、スラロームは8秒以内に走行しなければいけません。さらにスピードを上げていかなければいけないわけです。ですが、アクセルの加減を間違えると次のパイロンで曲がりきれませんし、スリップしてしまう可能性も高くなります。
そうやって調整しながら少しずつスピードを上げる練習をしていきます。慣れると、今度は一本橋からスラロームに行く練習です。
そのようにして、一本橋とスラロームをひたすら反復練習し、一時限目が終了しました。
そして2時限目。
オートマでたった一回だけ通った、S字とクランクです。
S字はオートマの時同様、難なく出来ました。問題はクランクです。オートマの時、パイロンをなぎ倒しながら進んだこのコース。
まず、1速にするよう言われ、半クラッチでコースに入ります。道幅は狭く、S字と比べてずっとコードなハンドル技術が必要となります。
ですが、やはり半クラッチに慣れていたからでしょう。何にもぶつからず、ちゃんと通り抜けられました。もう一度通るように言われたのでやってみると、次も成功。
ただし教官からは、もう少しクラッチを握りこんだ上で、アクセルを回すように言われました。アクセルを回していた方が車体が安定するからだそう。クラッチを握っていればスピードも抑えられるから制御しやすいのだそうです。
それを踏まえてもう一度やってみると、確かに車体が安定しました。ここではクラッチの微調整が更に求められます。
次が坂道発進です。
ここもオートマの時に一度通っただけのコース。
坂の途中で止まり、フットブレーキをよく踏み込んだ上で発進します。最初、フットブレーキのみで止まることに慣れておらず下にズルズル下がってしまいましたが、アクセルをいつもより少しだけ強めにかけ、あとはいつもの発進と同じ手順でした。
ただし、下り坂でギアチェンジとブレーキをかけながら進み、すぐに優先道路に合流するので、その流れだけが注意を要しました。下り坂に没頭しすぎると、優先道路に車が来ているか見落としてしまいがちだからです。
さて、これで一通りのコースを習い、その上で第一段階終了の判を押してもらいました。
第一段階で達するべきレベルに達したと認めてもらい、正直ホッとしました。
次までに二つのコースを覚えて来て下さいと言われましたが、私は実走するだいぶ前からコースを覚えてしまっていました。子供の頃から、夏休みの宿題を7月中に終わらせてしまっていたタイプでした。
コースを一通り走るのが楽しみでならず、多少受かれ気分でSさんに第一段階終了を報告。
すると、第二段階ではシュミレーションや学科があるから、あまり実車に乗れないこと。卒検はパイロンにぶつかるだけ、白線を超えるだけで一発アウトのシビアな世界なんだから、気を引きしめるよう言われてしまいました。
ともあれ、乗って走らせるのもやっとだった無の状態から、なんとかコースが走れるようになったことに喜びを禁じ得ません。
あとは細かなタイムや交通規定だろうと、その時はそう考えていました。