アクセルグリップ握りしめ

オフロードバイク、セローと共に成長していく、初心者ライダー奮闘記

魅惑の道〜大都会ツーリング 後編

若洲公園を後にし、舞浜方面に向かいます。

東京都を抜け、いよいよ千葉県に入りました。

 

舞浜市にある、東京ディズニーリゾートのパーク内を見ることは出来なかったのですが、イクスピアリなどのお洒落な建造物が見え、気分も上がります。

更に走り続け、千葉市に入ります。

幕張です。

幕張メッセは別件で来たことがあります。もちろん、電車でですが。

あの時はただただ規模の大きさと煌びやかな会場に目がチカチカしたものですが、今はそのすぐ傍を静かに真っ直ぐ走っていきます。

 

そして、本日最後の目的地、幕張海浜公園に到着しました。

 

お昼ご飯の時間にもちょうど良さそうなので、今度こそお弁当を持って公園内の散策です。

 

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筋トレ器具が充実していました。今日はトレーニングオフ日のため素通りでしたが、次に来る時は是非吊り輪をやってみようと思いました。

 

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芝生の広場のベンチに腰掛け、お弁当を広げます。

 

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公園の向こう側にビルが建ち並んでいる光景が、なんだか新鮮でした。

今日は水筒にあたたかいお茶も入れてきていたので、冷えた身体に沁み渡ります。

 

食べ終わってからも、しばらくベンチでぼんやりしていました。

これからどうしようかなぁと考えます。

まだ昼の12時半、まだどこか行こうと思えば行けますし、この辺りを適当に走ることも出来ます。千葉県の、もっと奥にまで行くことも可能でしょう。

何にせよ、予定よりだいぶ早い時間に全ての目的地に着いてしまったのでした。

でも残念ながら今日は、夕方までに帰らなければいけないのでした。あまり冒険をして遅くなってもいけません。だいぶ早いのですが、帰ることにしたのです。

 

問題は、その帰り方でした。

往路と同じルートは辿らないつもりです。

前回の吉見町ツーリングと一緒で、帰り道は少しだけ冒険した別ルートにしようと思っていたのです。

 

さすがに都心部なので、下調べをして来ていました。

 

行きと帰りを別ルートで、というのはSさんがよくやる手法でした。そうすることで、同じ地域に出向いてもより多くの道を通ることが出来ます。

 

一番確実で早いのは、第一京浜を下っていくルートでしょう。

来る時には若洲公園に寄ったので、第一京浜をあまり走れなかったのもあります。帰りが早すぎたら、横浜市内を好きに走らせるのもアリだなぁと思ったのです。

 

でも、ちょっと気になっている道がありました。

 

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それがこちら、国道357号線です。

ツーリングマップルにおいて、紫の道路は高速道路を示します。当然、上の道も高速道路にあたり、『首都高速湾岸線』の表記もあります。なのに、その道路には国道357号線の表記もされているのです。

 

まさか、有料の国道高速道路!?

気になり、ネットで調べてみました。

 

国道357号(こくどう357ごう)は、千葉県千葉市中央区から神奈川県横須賀市に至る一般国道。通称「東京湾岸道路」。

Wikipediaより

 

一般国道ということは、有料ではないということでしょう。

でも、その道を辿っていくと、かの有名な『横浜ベイブリッジ』に繋がっています。横浜ベイブリッジが有料なのは周知の事実ですが、そこにまで国道357号線の表記があるのです。

これは一体どういうことなんでしょうか──?

 

気になって仕方がありませんでした。調べてもよく分からなかったのです。

「よし、なら行ってみよう」

こういう場合、好奇心を抑えられない自分の性格はよく分かっています。気の済むようにやってみようと思ったのです。

それに、次に来る時、こんなに時間に余裕が持てる保証もありません。国道357号線は、第一京浜に比べると私の住まいからどうしても遠回りになってしまうからです。

思い立ったが吉日です。

 

セローに跨り出発です。

まずはお台場方面に向かいます。

途中、複雑な立体交差点に差し掛かりました。まるでSFの世界みたいだと、ウキウキしながら見上げます。

 

前を走る車が、白バイから止められていました。それを追い越しながら自分のメーターを見ると、私も法定速度を20kmも越えていたのです。

冷や汗をかきました。

交差点に制服警官が立って見張っている光景も今日何度も見かけました。

年始のため、取り締まりが厳しいのでしょう。

 

にも関わらず、今日は煽られることも多かったのです。

一時停止の停止線で止まっただけで、後続車からけたたましくクラクションを鳴らされたり、前に割り込んできた車が意味もなく急ブレーキをかけたりしてきました。

もしかしてここは──。

赤い乗用車が強引に幅寄せしてきたのを回避しながら思いました。

──ここは、峠道に負けず劣らず危険と刺激に満ち溢れている道なのかも。

私は密かに苦笑したのでした。

 

 

やがて357号線に差し掛かります。

入口では何故か、長く細い道を旋回しながら登らされたので、やっぱり高速道路なのかと不安になりました。

そう感じたのは私だけではなかったらしく、前の車が不安定な走りをした後、ウィンカーを出して停止しています。

私はそれを追い越しながら前に進みました。

高速道路なら、お金を払って走っちゃえばいいと思ったのです。別にセローは禁止車両ではありません。料金所で財布をゴソゴソやるのが手間なくらいです。

でも登りきって拓けた道は、真っ直ぐに伸びていました。料金所もレーンも見えません。

 

走り進めると、道の両側が海になりました。

位置的に、横浜ベイブリッジでしょう。いえ、この道は真上にずっと屋根があります。おそらく、横浜ベイブリッジはこの上で、私は今その真下を走っているのでしょう。

感激しながら走りました。

もちろん、見える景色も開放感も、上を走る方が感じられるのでしょう。でもこの道は、子供が秘密基地の中から外界を覗き込んでいるような、そんなワクワク感がありました。

 

357号線を出ます。

そこから先は複雑なルートを走ることになりました。

やがて私の住む市の隣の市に入り、最寄り駅の隣駅が見えました。もう着いたつもりでホッとしたのでした。

ですが、そこから盛大に迷ったのです。

思えば、隣市だろうと隣駅だろうと、今までの行動範囲は自転車か電車のみでした。

そこから外れた道は全く分からないのです。

市内に入りましたが、やはり全然分からず迷い続けていました。

バイクに乗るようになり、国道や県道などの主要道路は覚えて来ました。でも、そこから外れた市街地に出てしまうと途端に分からなくなります。いかに今までの行動範囲が狭かったかを物語る出来事でした。

 

これじゃダメだなぁ。

もっと身近な道も走らないといけないなと思いました。せっかくバイクに乗っているのですから、近場の素敵な所も見つけていかなきゃと。

 

今回のツーリングは、距離も時間もさほどではありませんでしたが、今までとはまた違った刺激がありました。

ツーリングはどこを走るかもですが、どう楽しむかも重要になってくるのでしょう。

セローと共に走ればどんな道でも冒険になる。

それを実感出来た、良いツーリングとなりました。